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静岡・茶加工場の立体冷蔵庫
R448Aに更新で大幅省エネ
インバータスクロール冷凍機で
顧客の要望に応え、オーダーメイドのプレハブ冷蔵庫設備の設計・施工を展開する静岡冷工(社長=平田繁男氏、本社・静岡市葵区唐瀬3-6-13)。
同社は低GWP(地球温暖化係数)冷媒R448Aを採用した冷凍機の導入を積極的に推進しており、非常に大きな省エネ効果も確認している。
同社が低GWP冷媒の中でもR448Aを顧客に提案するのは、今後の供給可能性が高いから。
こうした顧客目線に立った提案こそが同社が幅広い顧客から信頼されている理由とみられる。一方で同社は近年、青果物卸売市場のCC(コールドチェーン)化に、市場と共に取り組んでおり、その成果は広く市場に波及している。
R448A冷凍機の省エネ効果を事例として特筆されるのが、静岡のある茶加工場の案件。
茶加工場では、収穫した茶葉を加工し「荒茶(あらちゃ)」と呼ばれる半製品にして冷蔵庫で保管している。
今年2月、同社はこの加工場の立体冷蔵庫に使用されていたR22の15馬力冷凍機1台を、日立製のR448Aの20馬力インバータスクロール冷凍機(10馬力コンプレッサ2基搭載)に入れ替えた(冷却器は変更なし)。低圧管は既存配管を使用できたが、高圧感は新たに配管し直した。
導入後は非常に大きな省エネ効果が確認された。
ここ3年の6月の消費電力を比較すると、2019年6月は104キロワットアワー(kWh)、20年6月は131kWh(冷凍機の調子が悪くなり始めた時期)、今年6月は86kwhと低減した。また20年5月は114kwhで、今年5月は79kwh。冷凍機以外の変更はないため、純粋に冷凍機のみの省エネ効果と考えられる。
この茶加工場では昨年6月から冷凍機の調子が悪くなり、その冷凍機を導入した業者に相談したが、その業者では問題を解決できなかった。
そこでこの茶加工場は、ホームページを通して静岡冷工に連絡してきた。同社は話を聞き、R448A冷凍機の検討を始めた。
複数のメーカーを検討する中で、あるメーカーでは20馬力の冷凍機(10馬力コンプレッサ2基搭載)を導入すると、片方はインバータだがもう一方は一定速になることが発覚。折しも新型コロナウイルス禍で納期の遅れもあり、2基ともインバータの日立製スクロール冷凍機を採用した。2台のインバータにより微妙な制御が可能であることが、今回の大きな省エネ効果に繋がったとみられる。
こうした中、静岡冷工は神奈川県の豆腐工場における豆腐保管の立体冷蔵庫の冷凍機でも日立と他メーカーの冷凍機を検討していたが、日立のR448Aインバータスクロール冷凍機40馬力(10馬力コンプレッサ4基搭載)4台の導入を決定。
同様に静岡県西部の青果物卸売市場でも、45メートル×8メートルのプレハブ冷蔵庫設備で日立のR448インバータスクロール冷凍機8馬力機の3台導入を提案している。
今回の案件を通じて、同社の平田繁男社長は「(一つのメーカーにこだわらずに)様々なメーカーと付き合う重要さを学んだ」と話す。
このほか最近の同社の施工事例としては、栃木で3月、プレハブ冷蔵庫内でホワイトチョコレートに漬けた乾燥フルーツを固めるため、冷風をダクトから送る冷却設備の工事を行った。
あまり強く冷風を吹かせるとチョコレートがひび割れてしまうため、加減が非常に微妙だが、同社はこれに成功。
これまでの工程は人の手で行われており、非常に時間が掛かっていたが、部分的にも自動化することで生産性が向上した。
また5月には、岐阜県の豆腐工場で、R22冷凍機から日立の20馬力、30馬力の冷水チラーに更新した。
工場への既存の送り冷水には手を触れず、蓄熱槽の中に冷水配管を入れ、ポンプで呼出してチラーに送り、また蓄熱槽に戻すという配管を敷設した。
日立のチラーは最低取り出し温度3度Cだが、運転してみると、2.8〜3.2度Cの取り出し温度を確認した。また工場からの還り水温は5〜5.2度C(以前は12℃程度だった)となり、非常に高効率なシステムを実現した。
30馬力、20馬力の冷水チラーにした理由は中間期・冬期で片方1台の運転でも冷却ができ、また省エネ運転できると計画したからとのこと。
加えて今年、同社に過去の施工実績の口コミで防湿工事の話が寄せられていることも特筆される。
起こりは超低温冷蔵庫が内部にある水産加工場の防湿工事の実績。夏場は1階と2階を繋ぐ内階段に水が流れるほど結露が発生していたが、階段の片側にヒーターを埋め込んでウレタンを吹き付け、その上に防湿コートを塗装した結果、夏場の現在でも結露防止に成功。
この実績を聞いたある業者から防湿工事の依頼があり、同社は今後、徐々に手掛けていく考えだ。
今年もカーテンを壁パネルに
浦和中央青果市場
一方、同社は2015年より継続的に「壁パネル可動式冷蔵庫」と「電動アコーディオンカーテン式冷蔵庫」の導入を通じて、浦和中央青果市場(埼玉県さいたま市)のCC化に取り組んでいる。
昨年は第2期工事で導入した3面(1面約10m)のアコーディオンカーテンを、より断熱性能の高い可動式壁パネルに入れ替えた。
市場側の冷却能力を高めたいという要望に応えたものであり、現にその冷却効果に喜びの声が上がっているという。
今年も8月から、果物保管の区画でアコーディオンカーテンを可動式壁パネルに変更する工事を行う。その他、前年に続いて屋根工事、また雨水をうまく排水できるよう排水工事も行う。
静岡冷工が同市場に始めに冷凍機を導入してから今年で8年目となるが、これまでのところ「全く故障はない」(平田社長)。
これは施工品質の高さはもちろん、定期的なメンテナンスを市場側から同社が任されいるためであり、信頼関係が長期にわたり保たれていることも示してもいる。
2面壁パネル可動式冷蔵庫設備
「2面壁パネル可動式冷蔵庫設備」の詳細はこちらをご覧ください。
電動アコーディオンカーテン式冷蔵庫設備
「電動アコーディオンカーテン式冷蔵庫設備」はこちらからご覧ください。
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